【九州特集②】超豪華!九州新幹線800系!

鉄道雑学

 九州特集、第2回目は九州新幹線で活躍している800系新幹線にスポットを当てていきたいと思います。本系列は2004年の九州新幹線、新八代〜鹿児島中央駅間が開業した際に運転を開始した、今となってはやや古い部類の新幹線車両です。世代的には東海道新幹線から既に引退している700系とほぼ一緒なので、紹介するのは今更な感じがしたのですが、あまりにも個性的で素敵な車両だったので、今回のテーマとさせていただきました。それでは、800系新幹線を詳しく見ていきましょう!

車両の外観

700系の兄弟車両

 800系は、当時東海道・山陽新幹線で活躍していた700系をベースに開発されました。塗装を無視すれば、車両を横から見ると700系とほぼ同じなのがわかります。車両に搭載されている機器類や基本的な構造も、700系と変わらないのですが、配置が一部変更されており、先頭車両の運転席側にはドアがないので利用する際は注意が必要です。この点は500系と一緒ですね。

独特な先頭形状

 700系がベースとなっていると述べましたが、先頭部の形状は全く違うデザインになっています。前部標識灯は縦長で、中に3つのライトが設置されています。画像は最終増備車のU9編成で後期型にあたるのですが、特徴としてライトカバーに膨らみがついており、生き物の目のような印象があります。JR九州は、独特なデザインの列車が多数ありますが、この800系新幹線も例に漏れず、他の新幹線とは一線を画した存在感がありますね。

JR東日本「E2系」と同じパンタグラフ

 特質すべき外観はもう一箇所あります。6両編成中に2箇所、先頭車両から2両目の車両にはパンダグラフが搭載されているのですが、このパンダグラフ、実はJR東日本が運用しているE2系新幹線のパンダグラフと同様の構造をしています。東海道・山陽新幹線系列の新幹線車両は、騒音低減のために重厚なパンタグラフカバーが装備されているのですが、800系にはそれがありません。あるのは、碍子とシングルアームパンタグラフのみの極めてシンプルな構造です。700系をベースにしているにもかかわらず、パンダグラフだけE2系のものを採用しているこの違和感、鉄道趣味としてはたまらないポイントです。

 余談ですが、JR東日本のE5系やE8系といった新型車両はパンタグラフ周りがとてもシンプルなのに対し、JR東海の新型車両N700S系は重厚なパンタグラフカバーを採用し続けています。パンタグラフカバーはシンプルな方が軽量化で有利な反面、飛来物から碍子を守るという点では、頑丈なカバーに軍配が上がります。どちらが優れているという話ではありませんが、考え方の違いで外観に大きな差が出ているところが非常に面白いです。

車両の内装

こだわりが詰まった横4列シート

 新幹線車両としては全国で唯一、全車両2+2席の横4列シートとなっています。しかも、シートは天然木を使用した木製で、座面に使われているモケット素材は各車両全て別々!画像は2号車と3号車の客室内の例ですが、2号車はワインレッドの革張り、3号車はカーマインのツイード張となっています。つばめ号の自由席は1〜3号車が基本です。自由席車でこのクオリティ…さすが九州新幹線ですね。

金箔張り!?豪華なのはシートだけじゃない!

 凄いのはシートだけではありません。客室内前後の壁も車両によりデザインが異なるのですが、画像の2号車の例では金箔で仕上げてあります。新幹線の車両に金箔張りとは…全国見渡しても、この800系のみでしょう。その他、窓にある日除けのブラインドは木製が採用されています。

 また、客室内中央部の天井にも案内表示器が設置してあります。どの席からでも確認できるように配慮されています。

デッキ部にも散りばめられた伝統美

 デッキは濃いグレーで落ち着いた雰囲気、洗面所にはイグサの縄のれんが使用されています。日本の伝統美が随所に散りばめられた内装で、ワンランク上の旅を楽しむことができそうですね。

現在の運用

 800系は九州新幹線内のみで運用されており、残念ながら山陽新幹線には乗り入れていません。主に各駅停車のつばめ号に用いられていますが、一部のさくら号にも使用されています。

800系新幹線まとめ

 以上が「800系新幹線」に関するお話でした。内容を以下にまとめます。

車両の外観

  • 700系新幹線がベース。
  • 縦長の前部標識灯を備えた独特の先頭形状。
  • JR東日本「E2系」と同じシンプルなパンタグラフ。

車両の内装

  • 横4列シートで、天然木と各車両別々のモケット素材を使用。
  • 金箔仕上げの仕切り壁、木製ブラインド、天井の案内表示器。
  • 落ち着いた雰囲気のデッキと、イグサを使用した縄のれん。

現在の運用

九州新幹線内のみで、山陽新幹線への乗り入れは行われない。つばめ号を中心に一部のさくら号にも使用される。

 

 九州特集の第ニ回目「800系新幹線」いかがだったでしょうか?私は普段、山陽新幹線沿線に住んでいて、九州方面に行くことはあまりないのですが、今回改めて800系新幹線を見て、あまりの個性的かつ豪華な設備に感動してしまいました。鉄道好きとしては、パンタグラフがE2系というのもツボでしたね。JR九州らしさが全面に出ていて、おそらくは日本で一番「突き抜けた」新幹線だと思います。

 もし、九州方面へ来られる機会があったら、是非この「800系」をあえて選んで乗車してみて下さい。きっと、素敵な旅になると思います。九州にお住まいで、普段からこの新幹線を利用されている方を、心底羨ましいと感じた素晴らしい新幹線車両でした。

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