新幹線に乗車する際、昔はみどりの窓口に行き、紙のきっぷを購入していましたが、今ではJR東海の「エクスプレス予約」、JR西日本の「e5489」などインターネット経由による購入がすっかり当たり前になりました。窓口に並ばずに購入できる上、変更の融通もきくので非常に便利になりましたよね。
ところが、このエクスプレス予約は使うにあたって要注意な駅が存在します。なぜならば、新幹線専用の改札口が存在しない駅では、条件によって改札口から外に出られないことがあるからです。不正をしたわけでもないのに、急に改札口で止められたらビックリしますよね。今回のテーマは「エクスプレス予約で出られない要注意駅」です。それでは、詳しく見ていきましょう!
改札口から出られない条件
どういった条件が揃うと改札口から出られないのか?以下がその条件です。
新幹線専用の改札口がない駅
- 西明石駅
- 姫路駅
- 相生駅
- 福山駅
- 三原駅
交通系ICカードを持っていない
交通系ICカードとは「ICOCA」や「Suica」などの鉄道事業者が発行するICカードのことです。
これらの条件が揃ってしまうと、正当なきっぷを所持していても、自動改札機の扉が閉まってしまいます。
なぜ改札口から出られないのか?
新幹線専用の改札口がない駅とは、すなわち在来線との「乗換改札口」しか存在しない駅を指します。本来であれば、新幹線専用の改札口と、在来線乗換改札口の2つを設けるところですが、上記の5駅は構造上、新幹線専用の改札口を設けることができなかった駅です。
乗換改札口を通るということは「この先の在来線に有効なきっぷを持っていますか?」と問われている事になります。ところが、在来線の乗車券もセットになっている普通のきっぷであれば問題ないのですが、エクスプレス予約は「新幹線専用」のサービスなので、在来線部分の乗車券が一切付いていません。そのため、在来線乗換改札口を通れないということになるのです。
どうすれば改札口から出られるのか?
エクスプレス予約使えないじゃん!となるのですが、出られる方法は以下の通り、2パターンあります。
交通系ICカードを事前に用意する
「ICOCA」や「Suica」などの交通系ICカードは在来線で使用できます。乗換改札口を通過する際、新幹線用の「EX-ICカード」と「交通系ICカード」を2枚重ねてタッチすれば、自動改札機は「この人は在来線に有効なきっぷを所持している」とみなすので扉が閉まることはありません。
その後、在来線用改札口では乗換改札口で使用した交通系ICカードを再度タッチすることで、問題なく改札口の外に出ることができます。
駅係員から「出場証」をもらう
では、交通系ICカードをもし持っていなかった場合はどうすればよいのでしょうか?残念なことに、自力で改札口の外に出るのは不可能です。このような時は、乗換改札口付近にいる駅係員に声をかけて、「出場証」という改札口の外に出るためだけのきっぷを受け取ります。乗換改札口では、この出場証を通した後にEX-ICカードをタッチ、最後の在来線用改札口では再度出場証を入れる事により外に出ることができます。
エクスプレス予約は大変便利なシステムですが、ここにきて急にアナログな感じになってしまいました。エクスプレス予約は「新幹線専用」に作られた仕組みなので、在来線には対応していません。そのため、乗換改札口を通過しないと駅の外に出られないという特殊な構造になっている駅では、対応できないという弱点を持っているのです。
改札口の中に入る時も注意
実は、これは改札口の中に入る時も一緒です。まず在来線改札口で駅係員から専用きっぷを受け取り通過します。次に、乗換改札口で先ほど受け取った専用きっぷを通し、その後にEX-ICカードをタッチする事で新幹線に乗車できます。
降車、または乗車するたびに改札口の駅係員に声をかけなくてはならないので、とても煩わしいですね。交通系ICカードを持っていない方にとっては、エクスプレス予約の大きな欠点といえます。普段、ICOCAやSuicaを使わない方もエクスプレス予約を時々使うようであれば、交通系ICカードを1枚準備しておいた方が良いかもしれません。
エクスプレス予約で出られない要注意駅まとめ
以上が、「エクスプレス予約で出られない要注意駅」に関するお話でした。内容を以下にまとめます。
改札口から出られない条件
新幹線専用改札口がない駅であること
- 西明石駅
- 姫路駅
- 相生駅
- 福山駅
- 三原駅
交通系ICカードを持っていない
交通系ICカードとは「ICOCA」や「Suica」などの鉄道事業者が発行するICカードのことです。
なぜ改札口から出られなのか?
乗換改札口では「在来線」のきっぷが必要だが、エクスプレス予約は新幹線専用で在来線のきっぷがついていないから。
改札口から出る方法
- 交通系ICカードを用意する。
- 駅係員から「出場証」をもらう。
改札口の中に入る時も注意
改札口の中に入る時も、出る時と同様に専用のきっぷを駅係員からもらう必要がある。
エクスプレス予約は非常に便利なサービスですので、特に新幹線を定期的に使用する方にとっては、使わない手はないでしょう。ただし、今回紹介したような注意点もありますので、交通系ICカードを持っていない方は気をつけてください。メリットと欠点を正しく把握して、上手に使いこなしましょう。この記事が、その一助となれば幸いです。
【参考】エクスプレス予約の概要
今回のテーマとは直接関係ありませんが、そもそもエクスプレス予約がどんなサービスなのか、最後にまとめておきます。理解を深める上で参考としていただけたらと思います。
サービスの概要
東海道・山陽・九州新幹線の指定席を予約できる会員制のサービスです。年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの混み合う時期も含めて、会員価格で利用することができます。年会費は税込1,100円です。
便利な機能
インターネットから予約できる
みどりの窓口に並ばなくても、パソコンやスマートフォンからインターネットを介して予約することができます。
座席表を見て好きな席を指定できる
窓側、通路側、客室の一番前や一番後ろなど、自分の好みの座席を座席表を見ながら指定することができます。
予約の変更が何度もできる
通常のきっぷは一度しか変更ができませんが、エクスプレス予約で予約した指定席は、列車が発車する前であれば何度でも変更することができます。紙のきっぷと比較すると、ものすごく融通が効きます。
払い戻し手数料が安い
乗車日の前日と当日に払い戻しをする際、通常の特急券は料金の30%が手数料として差し引かれてしまいますが、エクスプレス予約の場合は320円のみで済みます。
会員価格で購入できる
通常のきっぷよりも安い会員価格で購入することができるほか、早めの予約でより安いネット専用の商品を購入することもできます。
※エクスプレス予約の概要は、この記事を執筆した2024年7月17日現在のものです。サービス内容や金額は、今後変わる可能性もあります。利用時は最新の情報を確認して下さい。
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