巨大橋桁現る!広電JR広島駅乗り入れ工事

鉄道ニュース

 2025年春、広島電鉄の路面電車がJR広島駅の2階に直接乗り入れる「駅前大橋ルート」が開業します。それに先立ち、6月16日(日)夜から17日(月)にかけて、広島駅前に巨大な橋脚が設置されました。今回は広島駅前の風景を大きく変える、広島電鉄の「駅前大橋ルート」をテーマにお話します。

一夜にして巨大橋桁現る

 2020年から始まったこのプロジェクト、橋桁を支える橋脚の設置は昨年、2023年の12月に行われています。今回架設された橋桁は全部で3つある橋桁のうちの一つ目で、長さ43メートル、幅10.5メートル、重さ250トンという巨大な構造物です。架設当日は駅前の交差点で交通規制が行われ、自走式の特別な台車に載せられた橋桁を橋脚に下ろす作業が行われました。昨日まで無かったものが突如現れる…空から降ってきたようで、もの凄い違和感を感じます。

事業の概要

事業の基本方針

 広島駅前の再整備事業として、2014年に広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」が決定しました。この中には、現在東側に迂回してJR広島駅前まで伸びている路線を廃止し、稲荷町交差点から駅前大橋ルートを通り、直接JR広島駅の2階に乗り入れるという内容が記されています。

現在のルートの問題点

 現在のルートは地上を走行していることから、ラッシュ時間帯を中心に信号待ちや自動車の影響で定時性や速達性に問題をかかえていました。駅の手前で「電車が渋滞」しているという状態が発生していたのです。自動車と走る場所を共有している路面電車ならではの問題ですね。また、東側に遠回りするように線路が敷設されているため、広島駅から市内方面へ向かうのに時間的ロスが発生しています。

駅前大橋ルートのメリット

出典:国土交通省

 これらの問題を解決するため、稲荷町交差点から広島駅までの最短ルートである駅前大橋ルートに切り替え、かつ駅前を高架化する事により、定時性の確保と所要時間の短縮を図ることを目的に計画されたのが今回の事業です。市内までの距離が短くなり、所要時間は現行より約4分短縮されるとのことです。朝夕のラッシュ時間帯は、広島駅前の道路の平面交差がなくなる分、それ以上の恩恵が受けられるかもしれませんね。

JR広島駅の2階に直接乗り入れ

新しい広電広島駅

 今回の計画は、JRの駅の2階に路面電車が乗り入れるという、非常に珍しい工事となっていて、駅の表情が大きく変わる事になります。現在、地上にある広電の電停には乗車用ホームが2箇所、降車用ホームが4箇所設置されていますが、乗り入れ後は4系統ある路線それぞれの専用のりばが設けられる予定で、乗車用、降車用ともに4箇所ずつになります。

乗り換え時間の短縮

出典:国土交通省

 これまでJRから電停までやや距離がありましたが、直接乗り入れるおかげで乗り換え時間も74秒短縮されるそうです。74秒…実際に歩いて測ってみたのでしょうか?計測が細かい(笑)

 JRと広電の乗り換えには階段の上り下りが伴っているので、それが解消される分、体感的にはもっと負担が軽減されるのではないかと思います。

駅前大橋ルートまとめ

  • 定時性速達性の確保が目的。
  • 2014年基本方針決定。2020年から着工し、2025年春の完成
  • 今回架設されたのは、駅前大橋ルートに3つ架けられる橋桁のうちの1つ。
  • 広島駅に直接乗り入れるため、乗換時間が短縮され、のりばも現在より拡張。

 全て完成するのは2025年の春です。今から完成がとても楽しみな事業です。街の「顔」でもある駅が日々変化していく姿は、とても見応えがあります。是非、無事故で最後まで完遂してほしいと思います。

 今しか見る事ができない、変化する広島駅とその周辺。実はとても貴重な時期なのかもしれません。周辺を散策していると、駅前の変わりゆく姿を記録に残そうと写真撮影をされている方をよく見かけます。近隣住民の関心の高さが伺えます。完成してしまえば、工事前の姿は意外とすぐに忘れてしまいます。完成前の変わりゆく広島駅を今訪ねるのもアリですね!

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