以前、JR広島駅への路面電車乗り入れに伴う工事の様子を記事にさせていただいたのですが、こちら岡山駅前でも、現在着々と工事が進められています。これは、岡山駅からやや離れた場所にある路面電車のりば「岡山駅前電停」から100mほど線路を延長し、岡山駅前広場まで乗り入れるようにするというものです。広島駅のように、駅ビルの中に直接乗り入れるわけではわりませんが、現状の岡山駅での乗り換えは、駅前の交差点を渡るか地下道を経由しないと、路面電車のりばまで辿り着くことができないので、利便性は飛躍的に向上するものと思われます。今回は、そんな工事たけなわの「岡山駅前乗り入れ工事」について、詳しく見ていこうと思います!
工事の概要
現状の課題
冒頭でも述べましたが、現在の路面電車のりば「岡山駅前電停」は、岡山駅からやや離れた場所にあります。岡山駅から路面電車に乗り換える場合、駅前広場を抜け交差点を渡るか、または地下道を経由して、路面電車のりばまで向かうことになりますので、少なくとも10分以上の乗り換え時間は確保しておく必要があります。また、岡山駅の表玄関である後楽園口(東口)から路面電車の電停は見えないので、初めて来た方にはのりばがわかりづらいと感じるかもしれません。
工事の目的
出典:岡山市ホームページ 「岡山駅前広場への路面電車乗り入れ整備事業について」
今回の路面電車岡山駅前乗り入れ工事は、前述した岡山駅で乗り換えの不便さを解消することを一番の目的としています。また、合わせて駅前に屋根付きの通路や案内所、待合室やトイレを整備し、駅前広場を再整備することによって利便性の向上を図ります。
現在の工事状況
以前、駅前広場の北側にあった一般車送迎場と、南側にあったタクシーのりばはそれぞれ入れ替えが行われ、現在は北側がタクシーのりば、南側が一般車送迎場になっています。
また、路面電車の乗り入れ予定地は現在バリケードが張られ、路面のタイルなどが剥がされ地面が剥き出しの状態になっています。
事業スケジュールとしては、今後地下街の補強工事が実施される予定です。なお、当初は2025年度末の完成を目指していましたが、地下街にある店舗の工事中の仮店舗準備に伴い、完成時期は1年ずれて2026年度末になる見通しです。
撤去された駅前シンボル
ピーコック噴水
駅前には以前、この画像の中央付近に噴水が設置されていました。これは、1975年に山陽新幹線が博多まで全線開業した時に設置されたもので、高さ5m、直径4m、放射状に配置されたノズルは500本を超える大きな噴水です。
初めは廃棄される予定でしたが、活用してほしいという住民の声を受け、岡山市が購入希望者を募り、結果市内にある環太平洋大学に移設されることになりました。約50年に渡って岡山駅前を見守り続けてきた噴水は、大学内のオブジェとして、第二の人生を歩むことになりました。なお、大学に移設後は水は出ないということです。
吉備沃野(きびよくや)
こちらは、残念ながら廃棄されてしまいました。岡山駅前のシンボル「桃太郎像」を囲むように配置された床面のモニュメントです。直径は26mあり、岡山県内全ての自治体の名前が刻まれています。2001年に設置されましたが、こちらは制作者の意向も踏まえ、移設を断念したそうです。
桃太郎像お引越し!?
さて、岡山駅前のシンボルといえば、やはり「桃太郎像」が一番印象に強いと思います。待ち合わせする際にも、私も目印に使っていました。この桃太郎像も現在撤去されており、以前の場所にはもうありません。吉備沃野とともに廃棄されてしまったか!と、心配になりましたが、こちらは地下街への階段付近に設けられた仮置き場にお引越ししていました。良かったですね!仮置きの仕方が少し雑な印象がありますが、工事が終わるまでの辛抱です(笑)
この桃太郎像は1971年に設置された、「二代目」の桃太郎像です。工事が完了するタイミングで、路面電車の新しい電停近くに設置される予定です。
岡山駅前乗り入れ工事まとめ
以上が「岡山駅前乗り入れ工事」に関するお話でした。内容を以下にまとめます。
工事の概要
現状の課題
現在の岡山駅前電停は、岡山駅からやや離れた場所にあり不便。
工事の目的
- 岡山駅前広場への路面電車乗り入れにより、乗換えをスムーズにする。
- 駅前広場を再整備し、利便性を向上させる。
現在の工事状況
- 北側にあったタクシー乗り場と、南側にあった一般送迎場が入れ替わっている。
- 路面電車電車の乗り入れ予定地はタイルが剥がされ、バリケードが張られている。
- 完成時期は2025年度末を目指していたが、地下街の仮店舗準備のため、1年遅れの2026年度となる。
撤去された駅前シンボル
ピーコック噴水
岡山市内にある環太平洋大学へ移設。
吉備沃野(きびよくや)
制作者の意向を踏まえ、廃棄。
桃太郎像お引越し!?
- 地下街への階段付近の仮置き場に移設中。
- 工事が完了するタイミングで、新しい電停近くに設置される。
私自身も、たまに岡山の路面電車を利用するのですが、乗り換えの際に交差点を渡ってその先にある電停に行くのは、実際の距離以上に長く感じ、以前からハードルが高いと思っていました。路面電車が駅前広場から乗車できるようになるのは、個人的には大変ありがたいです。資材費の高騰で当初より費用が膨らんだり、地下街の仮店舗準備で完成時期が1年ずれ込んだりと、予定通りに進んでいない面もありますが、どうか無事に工事が完成して欲しいと思います。
また、何年にも渡って岡山駅前を見守り続けてきたシンボルが移設されたり、撤去されたりしている今、岡山駅は大きな変化の時を迎えていると強く感じます。吉備沃野などは足元にありますし、普段から当たり前のようにあったので写真にも収めてきませんでしたが、いざ無くなってしまうと写真くらい撮っておけば良かったなという思いがあります。もし、岡山に来る機会があれば、是非変化の真っ只中にある岡山駅前を散策してみて下さい。一瞬一瞬が、もう二度と見ることができない光景になるかもしれません。
最後に、同じく工事真っ最中の広島駅の記事のリンクを載せておきます。もし、まだ読まれていない方は、こちらも是非チェックしてみて下さい!
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