今回のテーマは山陽新幹線のオススメ列車「さくら号」の指定席です。以前、500系と700系のこだま号を紹介させていただきました。それぞれ「のぞみ号」と比べて快適な横4列の座席があり、「時間が許せば」のんびりこだま号の旅もオススメですよ、というお話でした。もし、まだ読まれていない方は、記事の一番下にリンクを貼ってありますので、こちらも是非チェックしてみて下さい!
こだま号が快適なのはわかるけど、高い特急料金を払って新幹線に乗るからには、効率良く時間を使いたい!目的地に早く着きたい!…当然ですね。一方でゆったりした座席で快適に移動したいというのも、利用者としては当然の欲求だと思います。今回ご紹介するこの「さくら号」の指定席は、その両方の欲求を満たしてくれる素晴らしい新幹線なのです。それでは、詳しく見ていきましょう!
※今回はさくら号を例に紹介していますが、同一車両を用いた「みずほ号」も同様です。ただし、みずほ号は「のぞみ料金」がかかるのと、本数そのものが少ないため、さくら号をオススメしています。
そもそも「こだま号」はどのくらい遅いのか?
長距離利用を想定していない
こだま号は、のぞみ号が通過する中規模以下の駅から乗車し、主要駅で乗り換えることを前提にダイヤが組まれています。そのため、長距離を乗り通すことはあまり想定されていません。
具体的な所要時間
例えば、山陽新幹線の新大阪〜博多駅間をのぞみ号とこだま号で乗り通した場合、以下のようになります。
こだま845号
新大阪9:32→博多13:51
(4時間19分)
のぞみ9号
新大阪9:41→博多12:09
(2時間28分)
のぞみ号とこだま号の時間差は実に1時間51分、カップラーメンが37個出来上がります!さすがに長いですね…。短距離なら良いのですが、やはり長距離となるとこだま号は選択肢にはあがりにくくなります。こだま号の欠点は何よりその所要時間の長さ、途中駅で通過列車の待ち合わせを頻繁に行うので、とにかくのんびりです。
快適で速い「さくら号」指定席
山陽新幹線で長距離移動をする場合、こだま号のような快適なシートでゆったりしたいところですが、所要時間がかかり過ぎるのも考えものです。そこでオススメしたいのがこの「さくら号」指定席です。さくら号は快適さと速さを兼ね備えており、山陽新幹線内を移動するのであれば、是非選んでいただきたい列車です。オススメ理由を以下に挙げます。
指定席が横4列のゆったりシート
さくら号の4〜8号車の指定席は700系こだま号と同様、2列+2列の横4列シートになっており、非常に快適です。
対する1〜3号車の自由席は、のぞみ号と同様3列+2列の横5列シートです。
遜色ない所要時間
さくら549号
新大阪9:20→博多11:59
(2時間39分)
先ほど例に挙げたのぞみ9号が2時間28分でしたので、その差はわずか11分。カップラーメン4つ目を作っている最中に追いつかれます。1分1秒を争う時はのぞみ号が良いかもしれませんが、そこまでではないという方にはさくら号をオススメします。
※みずほ号はのぞみ号と同様の所要時間なので、この欠点はありません。
のぞみ号よりも安い
さくら号の料金体系は「ひかり号」と同じ扱いになりますので、いわゆる「のぞみ料金」が不要です。仮に通常期にのぞみ号とさくら号に乗車した場合の、新大阪〜博多駅間の料金額を比較してみましょう。
- さくら号:5,490円
- のぞみ号:6,230円
比較すると、さくら号の方が740円安くなります。浮いたお金でお弁当が購入できます。
※みずほ号は「のぞみ料金」が必要なので、このメリットはありません。
女性に嬉しい設備付き!
パウダールーム
5号車の新大阪寄りのデッキに設置してあります。大きな姿見があるので、化粧直しをしたり、身だしなみを整えたりする時に、女性にとっては便利な設備です。
女性専用トイレ
パウダールームの向かい側に設置されています。新幹線のトイレは男女兼用なので、女性専用のトイレは兼用に抵抗がある方にとっては、安心して使える設備の一つです。
注意しなければならないのは男性の方々。ここだけは女性専用のトイレです。誤って使用しないように気をつけましょう。
自動販売機がある!
3号車の鹿児島中央寄りのデッキに飲料の自動販売機が1ヶ所設置されています。値段は車内に設置してあるとあって少しだけお高いですが、そこは目を瞑りましょう。
以前は16両編成のN700系にも自動販売機がありましたが全て撤去され、現在はこのさくら号で使用されている8両編成のN700系のみとなりました。
登場当時は7号車にも設置されていて車内に計2ヶ所あったのですが、現在こちらは使用されていません。
注意点
停車駅パターンが多い。
姫路、徳山、新山口、新下関の4駅には、停車する列車と停車しない列車があります。これらの駅を発着駅とする場合には、事前に時刻表などで調べておく必要があります。
すぐに満席になる
のぞみ号と比較して、座席数が少ない上にやはり人気が高いので、予約は早めにするのが良いです。直前ですとのぞみ号は空いていても、さくら号は満席となっていることも珍しくありません。
自動販売機の商品が頻繁に売り切れ
一編成に一ヶ所しか設置されていないので、頻繁に売り切れているのを見かけます。設置されていること自体は大変ありがたいのですが、こまめに補充されていないようなので、ここが少し残念なところです。念のため飲み物は事前に購入し、車内の自動販売機は予備としておくのが良いかもしれません。値段もコンビニよりも高いですからね。
山陽新幹線「さくら号」まとめ
以上が、山陽新幹線のオススメ列車「さくら号」の指定席のご紹介でした。内容を以下にまとめます。
オススメ理由
- こだま号は座席こそ快適だが、時間がかかり長距離移動に不向き。
- さくら号は指定席が横4列シートで快適。
- のぞみ料金不要で安い。
- のぞみ号との所要時間の差が小さい。
- 女性に配慮した設備がある。
- パウダールーム
- 女性専用トイレ
- 山陽新幹線で唯一、自動販売機がある。
注意点
- 姫路、徳山、新山口、新下関の4駅は通過か停車か事前に確認する必要がある。
- のぞみ号と比較して、すぐ満席になる。
- 自動販売機の商品が頻繁に売り切れている。
山陽新幹線内を移動するのであれば、さくら号の指定席はのぞみ号よりも快適でオススメです。
これまで、様々な列車の座席をご紹介してきましたが、うまく使い分けて新幹線での快適な旅行を楽しみましょう。この記事が、その一助になれば幸いです。
以前紹介した500系・700系こだま号の記事も、もしまだ読んでいないのであれば是非チェックしてみて下さい!
※今回の記事でご紹介した列車の時刻や料金は、執筆した2024年7月4日現在のものです。
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