今回のテーマは「N700系ファミリー」です。「N700」と名前の付く車両、実は一形式であるにも関わらず、かなりの種類がある事はご存知でしょうか?パッと見ただけではわからないですが、多彩な顔ぶれがあるN700系についてご紹介します。なお、N700S系は、厳密にはN700系とは別形式ですが、今回は「N700」と名がついている事から、こちらもファミリーとして紹介します。
※以前「新幹線の名札!?形式名に隠された秘密とは?」の記事でも少し紹介しましたので、もし興味がある方はこちらも合わせて読んでいただけると嬉しいです。
歴史的!?単一の車種で統一された東海道新幹線
東海道・山陽新幹線新幹線の歴史を振り返ってみると、これまで様々な車両が活躍してきました。0系、100系、300系、500系、700系、そして最新のN700系・N700S系まで、営業列車としては7車種が誕生しています。このうち、東海道新幹線において単独の車種で統一された状態となったのは、開業時にデビューし約20年もの間、形式を変えずに長らく生産されてきた0系と、現在主力で活躍しているN700系のたったの2車種のみです。N700系はそれだけ、0系以来の大量に生産されている凄い車種なんですね。
大世帯!11種類のN700系
そんなN700系、製造される過程で改造されたり、短編成のものが誕生したりして、現在なくなっているものまで含めると、なんと11種類もあります。見分ける方法としては、以前「新幹線の名札!?形式名に隠された秘密とは?」の記事で紹介した、車体側面に記載されている車両番号の下4桁を確認する方法があるのですが、実は他にもやり方があります。それは、先頭車両のフロントガラスと乗務員室扉、中間車両に設けてある車販準備室の窓に記載された「アルファベット」を確認する事です。N700S系を含む、N700系ファミリーに付与されているアルファベットは以下の通りです。
Z編成
JR東海所属の元祖N700系。現在は改造された為、もうありません。
G編成
JR東海所属のN700A系。
X編成
JR東海所属のZ編成を、N700A系に採用されている機能の一部を反映する為に改造されたグループ。
N編成
JR西日本所属の元祖N700系。現在は改造された為、もうありません。
F編成
JR西日本所属のN700A系。
K編成
JR西日本所属のN編成を、N700A系に採用されている機能の一部を反映する為に改造されたグループ。
S編成
JR西日本所属の8両編成。
R編成
JR九州所属の8両編成。
J編成
JR東海所属のN700S系。
H編成
JR西日本所属のN700S系。
Y編成
JR九州所属の西九州新幹線用N700S系。
消滅する編成・新たに生まれる編成
N700系・N700S系だけでこの種類、凄いですね。ちなみにJR東海所属の「X編成」は、改造はされたものの車体自体は元祖なので、現在廃車が続いており、その数を徐々に減らしています。同様に、JR西日本の元祖N700系「K編成」も現在廃車こそ発生はしていないものの、2024年度以後に16両編成から8両編成に短縮する改造工事を行うと発表がありました。その為、一部の車両がこれから廃車になる見込みです。8両編成化された暁には、また新たなアルファベットが付与されるので、さらに種類は増える事になります。
今回はN700系ファミリーをご紹介しましたが、当然、他の形式にもアルファベットは付与されています。また新幹線に限らず、在来線の電車列車にも編成を表すアルファベットが付与されているので、もし興味があれば身近に走っている列車は何編成なのか、調べてみるのも面白いかもしれません。同じような顔をした列車でも、性能や改造の有無で編成が違っていたりします。それを見つけて差を比べてみるのも、鉄道趣味の面白いところです。
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